始祖「Ziggyの餌やりはおまえに頼む」
ここストラウド・マナーで飼われている猫は代々「Ziggy」と呼ばれている
いちいち名前を考えるのが面倒だから、というのがその理由らしい
ドニア「ひとつ、訊いてもいい?」
始祖「ん?」
ドニア「このだだっ広い館に住んでいるのはあんたひとりなわけ?」
始祖「ひとりじゃない Ziggyもいる」
ドニア「…… 淋しくはないの?」
始祖「………」
始祖「貴様、誰に物を言っている?」
あたしは7人兄弟の末っ子として産まれた 15歳で反社会的集団、いわゆるギャング団に入ってからも大人数でわちゃわちゃと暮らしてきた
だから、ヴラドのような「一匹狼」の生き方がいまいち理解できなかった
始祖「明日から本格的に『講義』に入る 今のうちに英気を養っておけ」
ドニア「あいよ、ヴラド」
始祖「…… その呼び方、やめんか」
ドニア「だいぶ上達したね、あやし」
あやし「ありがとうございます」
あやし「俺の下手くそなピアノをほめてくれるのはボスだけです」
あやし「ジャッコに言わせると『耳栓をよこせ』ですし」
ドニア「(笑) …あたしは好きだよ、あんたのピアノ」
子供を産んだことがない あたしにとっては
あの子らは 手下というより 息子同然だった
ジャッコ、ボニー、コナー
そして、あやし
あんたらの無念は あたしが きっと 晴らしてやるからね
待っていろよ、バリトン一家め ひとり残らずぶっ○してやる
…また、いつもの夢だ
パスカル? どこだ?
ああ、そうだ
俺は 夢の中で
何度も 何度も おまえを 喪い続ける
ドニア「うなされていたね 怖い夢でも見たの、ヴラド?」
始祖「…… 何でもない ただの夢だ」
ドニア「そう」
始祖「……… え? ええっ!?」
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