転地療養?
ああ ミランダ先生を 覚えている?
今、研修で サンマイシューノに 来ている
先生も それがいいと おっしゃっていた
チェスナットリッジに 俺が 産まれ育った 家がある
しばらく そこで 暮らしてみないか
ギャリーの 申し出は 実に ありがたかった
サンマイシューノでは みなが 俺を 知っていた
(俺は これっぽっちも 覚えていないのに)
みなが 望む 「エース・ウィルド」を 無意識に 演じてしまうのが 苦痛だった
でも、ここには 俺を 知る者は いない
少しずつ
ほんの 少しずつ
俺は 「自分」を 取り戻しつつあった
* 「エースさん、お掃除終わりました」
*「お茶を淹れますから、少し休んでください」
エース「おう」
*「あ、洗濯物はまとめといてくださいね 持って帰りますから」
エース「パ、パンツは自分で洗うからいいよ」
始祖「おまえもなかなか隅に置けんな」
エース「あん?」
始祖「いつの間に、あんな『通い妻』をこしらえたんだ?」
エース「そんなんじゃねえよ お隣のマギー・マギーだ ネクター作りを学ぶためにホームステイしている」
エース「ギャリーに頼まれて、三日に一度、俺の身の回りの世話を焼きに来る」
始祖「ふ~ん なるほど、おまえが好きになりそうなタイプだな どことなくアリスに似てるし」
マギー・マギー(の原型)はギャラリーからお借りしています 某Mさん、ありがとうございます
ちなみに、名前がマギー、姓もマギーです
エース「アリスって誰よ?」
始祖「……」
婚約破棄とあいなった元・婚約者です
マギー「ストラウドさんは、エースさんのおと…おにいさんですか?」
始祖「そう見えるか?」
マギー「いえ、全然」
始祖「教えてやろう」
始祖「海よりも深く、山よりも高い愛情で結ばれた恋人だ」
マギー「…… エースさんって爺専(じじせん)なんですね」
エース「…お願い、このおっさんの戯れ言を信じないで」
エース「なんであんな口からでまかせを言うかな」
始祖「だっておもしれえじゃん まさか真に受けるとは思わなんだが」
エース「おっさん その性格の悪さ、何とかならない?」
始祖「悪人特質は俺様のアイデンティティーだ」
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